空気さえ奪う煉獄の修行

何気ない空気の存在の有難さに気づかされる南蛮いぶし

甑嶽峰中修行2018~(11)

勤行で出現した濃厚な空間は、南蛮いぶしの煙で焚き清められます。煙を吸ったら最後、咳とむせりが止まりません。地獄の行と云われますが、そこは空気まで奪われる煉獄なのです。人とは切ないもので、空気が無ければ存在出来ません。

南蛮いぶしの終りを告げられると、皆は外に飛び出し、当り前のように息が出来る空気の有難さを知る事になります。娑婆の明りを眺めながら、修行に必要な薪と水を収める、小木、閼伽修めが行われ勤行の最後となります。その後も、行は夜通し続きます。