異界に入る

神祇作法の実践者が執り行う作法で、山の風景は一変します。

甑嶽峰中修行2018~(4)

峰中修行中様々な儀礼が執行されます。その中でも重要なのが神祇作法です。古神道儀礼の事ですが、巷で思われているイメージとは大きく異なります。分かりにくいとは存じますが、毎日の陰陽秩序を正し維持する為の行事です。日々、何事もなくこの世が治まるように執り行うもので、現世利益的な個人の祈祷とは余り関わりを持つ事はありません。

陰陽作法を司る故に陰陽師と云われる事がありますが、オカルト的な事などは一切行ってはおりません。ネット上に、陰陽師を名乗る者がおりますが、こうした陰陽作法について語る者は皆無です。森の中で踊ったり笛を吹いたり瞑想したしているブログを拝見しますが、陰陽の運行には何ら役に立ちません。

さて、本宗では特に神祇師を名乗る事が許された者が、山に入る際も、何事もないように諸神に祈ります。神祇師は日々、陰陽儀礼を実践している者でないと務まりません。陰陽の時空間を意識できる者でなければ作法は出来ないのです。形だけでは儀礼は成り立たつものではありません。こうした本物の実践者が執行すると、途端に周りの風景の色彩が一変します。まことに不思議な事が起こります。