令和元年甑嶽峰中修行5(5月24日⑤)

令和元年甑嶽峰中修行5(5月24日⑤)

天と地の狭間は、穏やかな気が満ちています。ここ頂上の遥か南西にある奈良飛鳥の地と結ばれています。ここの甑岳は本朝の鬼門に座す日本を霊的に鎮護する聖地なのです。この聖地までの道程は登山口からではありません。この日のために何をしてきたか思い返せば、神仏の助けがあって、ここに導かれた亊が分ります。

山頂からは山形県内の主要な峰々が見渡す事が出来ます。この地方には「高い山」と呼ばれる儀礼があります。青年は甑岳に登り、誓いを立てるのです。北方領土に経て樺太まで赴いた、山形県村山市出身の幕末の探検家、最上徳内もこの頂きで江戸へ出て見聞を広めるという誓願が立てました。

私は天界と下界を見つめ、自分が生かされている亊に感謝しました。正直、よくこんな亊をやっているな、と思います。率先して行事を執行している者ですが、心の迷いをさらけ出し神仏と向合うのも悪くないのではないか。あとは神仏にお任せしよう。そんな気分にさせてくれる、心に染み入る景観が広がります。

叱咤を受け、またこの頂に来ようではありませんか。生きているウチは煩悩の骨肉をまとい、そして死んだ後は、その着ぐるみを脱ぎ捨てて、魂だけとなり永遠にこの時空間を往復し、甑岳の霊性を護ろうと思うのです。青年をはるかに過ぎてしまった還暦の誓いとなりました。

一瞬、鳥海山が雲を割って現れたました。その刹那、冨士講の行者が高らかな声で遥拝します。ありがたや!森羅万象が輝き出しました。